嘘つき襦袢の身頃部分、袖なし半襦袢の簡単な作り方。自分サイズの備忘と、色々な作り方があるので一例として記事にしておきます。また、サイズ検討の参考になればと思います。
袖なし半襦袢とは
袖なし半襦袢は、俗に言う嘘つき襦袢の身頃部分の事です。これに替え袖を適当にくっつけ、半襟をかぶせる事で、ちゃんとした長襦袢を着ている風に見せる事ができます。
和服を着る時、肌着→襦袢→長着(着物)の順に重ねていきますが、長着以外の着付けを適当に簡単にすませられます。着崩れやすいので、美しい着姿でいたい時には使わない方が良いです。
洗濯機で洗えて、お手入れも簡単なので、普段着、日常着にオススメです。サイズや仕様など、様々な作りのものがあるので、それぞれの着物の着方や体型に合うものが見つかると、着物を着る事に対する億劫さが少し減ると思います。
私の半襦袢
和裁の練習を兼ねて、何枚か作っています。当初は和裁らしい方法で作っていましたが、外から見えるものでもないので、ミシンでだーーーーっと縫うとすぐ作れます。型紙もいりません。

洗濯を重ねると、それなりに生地も薄くなるし縮んでくるので、そこそこ消耗品です。
既成品の方が安い事も多いですが、作る方が好きな方、既成品を改造してご自分に合うものにしたい方の参考になれば幸いです。
袖なし半襦袢のサイズ
長襦袢を適当に代用するものなので、長襦袢の標準寸法や既成品の長襦袢、半襦袢を参考にすると間違いないと思います。長襦袢を作る時は、袖幅・ゆき丈や、袖の振りの長さ、繰り越し、着丈など、着物(長着)のサイズに合わせる必要がありますが、半襦袢なので上半身だけ考えればよく、袖も替え袖なので、気にする所は首の周りだけではないかと思うのです。
美容衿に身頃がついたものと考えれば、着方でなんとかなるので、そう細かく気にする事はないと思っています。個人の感想です。
美容衿というのはこういうの↓です。背中側は衣紋抜きがついていて、衿の形がキレイに整えられます。
半襦袢のサイズの一例
簡単に作れる仕様で、そこそこ文句なく普段着ている半襦袢のサイズです。
肩幅32cm、着丈48cmです。繰越(くりこし)約2cm、衿肩あき約9cmで、あとは成り行きです。

前の打ち合わせが足りないように見えますが、身幅が広くて、スリットがあるので、胸を覆うように着付ける事ができます。
私は163cm11号貧乳ですが、お胸が豊かな場合は、少し生地を足せば前身頃を広くできます(後述)。着丈は、お太鼓の下からはみ出ない位の長さであれば、着姿に響かないです。
適当に作ってサイズが多少大小しても、特に問題はない気がします。
袖なし半襦袢の作り方
半襦袢を作る時は、型紙は不要です。ただ、次回同じ形に作りたい場合は、衿の周りの切り落とした部分を取っておくか、そこの部分だけ紙に書き写しておくと、再現性が高くなります。
縫うのは、ミシンでも手縫いでも、どちらでも大丈夫です。引っ張る事が多いので、気持ち頑丈に仕立てる方が安心です。
半襦袢の材料
身頃というか本体は、さらし、浴衣・襦袢等の反物になっている生地、肌触りの良いリネン等。柄はなんでも良いです。生地端の始末がいらないので、さらし、浴衣・襦袢などの反物になっているものの方が作りやすいですが、洋服用の生地でも問題ないです。
衿は、身頃より目が詰まっていて、気持ちしっかりしている方が半襟を付けやすいです。生地としては、新モス、ブロード等。身頃と同じでも問題ないです。
縫う前に、あとあと洗濯しやすいよう、水通しとかスチームアイロンであらかじめ縮めておくと良いです。絹の襦袢地でも、ざぶっと水通ししてしまうと、後々楽です。
縫い糸は、本体と同じ素材か、ミシンで使うシャッペスパンなどのポリ糸を使います。色は生地と同じか似た色にします。
生地の裁ち方
型紙は不要ですが、定規は必要です。しるしは鉛筆やチャコでも構いません。
身頃の生地の裁ち方
(着丈+裾のぬいしろ)×2 の長さで身頃の生地を裁ち、衿肩あたりを大体図のような感じに裁ち落とします。裾のぬいしろは、始末のしかたによりますが、1cmの三つ折りの場合は2cm取ります。
作例の場合は、さらしなので、(48+2)×2=100cm でさらしを裁ちます。さらしは、両端が耳なのでぬいしろ始末は簡単ですが、洋服地の場合は、脇と背中のぬいしろ始末を考慮して裁ちます。

衿肩まわりの形については、後述しますが、大体で大丈夫です。
身頃のしるしつけ
前身頃と後ろ身頃の長さは肩線をはさんで前後同じなので、脇の縫い止まり関係の印は、二つ折りした状態で一緒につけるか、片側だけにしるしつけします。
幅が35cm前後なので、肩幅も身幅も生地から取れるいっぱいで作ると、しるしつけが減って楽です。肩幅は、足りないのは問題ありますが、広い分には問題ないです。
衿の生地の裁ち方
身頃の衿部分の長さを巻き尺などでざっくり測り、その長さに合わせて衿を裁ちます。
衿の全長(左右前身頃分)+(衿先のぬいしろ×2)の長さで幅は約16cm前後です。お手持ちの長襦袢の衿の幅に合わせておくと良いと思います。衿先のぬいしろは、5センチ前後見ておきます。衿先がしっかりするのと、測り誤差の安全マージンになります。

首周りあたりは5cm幅で三つ折り、裾の方は7センチ幅になるように折ります。太さの切り替わり部分は大体の所で大丈夫です。
衿まわり部分の切り方
和裁だと、衿肩アキの部分は直線でTの字になるようにカットするんですが、Tの字になってても縫った線は洋服の衿のように曲線になるので、あらかじめ曲線に切っておくと縫いやすいです。

肩線の前後は、肩線と直角に交わるようにします。背縫いから少しもまっすぐで、図で「滑らかにつなぐ」と書いてあるあたりは、いい感じの曲線にします。
T字に切り込みを入れて、衿を付けた時の付け方説明はこちら。衿をついた縫い線の見本があります。衿先の縫い方もあるので、良かったらご覧ください。
衿つけの形と身幅が足りない時の調整
今回、半襦袢の衿つけの形は下図Bのようにしていますが、肌じゅばんや上っ張りを作る場合はAの形でも構わないです。半襦袢は衿元をしっかり覆って着崩れしにくいようにしたいので、布面積を気持ち広く取れるBにしているのですが、胸が大きい場合などは、もう少し布面積が欲しくなると思います。
その場合は、図Cのように、下側に生地を足します。幅が広すぎても着難いと思うので、お手持ちの襦袢と比べて追加する幅をご検討下さい。

図中でグレーになっている部分は、ごろごろするので、衿をつけた後に切り取ってしまいます。
縫い方と端の始末
縫う手順は、次の通りです。さらし等の生地の両側が耳になってる想定で始末していますが、ロックでも良いです。
- 背中心を縫い合わせる
- 脇を縫って、ぬいしろを始末する
- 裾を始末する
- 衿をつける
- 開き止まりにかんぬき留めして完成
背中のぬいしろは、2枚合わせてぐし縫いして、片方に倒します。脇・スリットは折って耳ぐけ、裾は三つ折りして本ぐけ。耳ぐけ・本ぐけはまつり縫いでも、ステッチでも良いです。
衿は、出来上がり幅に合わせて裏に向けて折り、身頃の生地を挟むようにして仕上げます。まつっても良いし、ステッチでも良いです。これも、前述の浴衣風パジャマの記事を参照ください。
出来上がった半襦袢に、替え袖を取り付け、半襟をつけて完成形になります。下はまだ半襟がついてないです。

嘘つき襦袢関係の他の記事
お着物の中に着るもの関係についての説明と、ちょっとしたサイズ調整の小技について。
嘘つきセットに使う替え袖のことはこちら。半襦袢に縫い付けて使います。
嘘つきセットの下半身版。お腰と裾よけについての説明と作り方。
半襦袢作りとか和裁のまとめ
半襦袢や裾よけは、意外と簡単に作れるので、和裁の練習にもオススメです。以前は肌じゅばんも縫っていましたが、ババシャツの方が楽です。
和裁関係でよく使うので、ストックしておくと良いです。
衿つける時とか、まつる時、半襟つける時とかに、あると良いです。和裁だけでなく、お裁縫全般にもあって便利なお道具です。
参考図書です。
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