着物を着る時に使う腰紐は、使いやすい長さで用意しておくと着付けが楽です。和裁の練習にも良いし、ミシンでもいけます。
腰紐の材料
一般的な腰紐の材料は、モスリン(ウール)、絹、木綿です。そこそこ薄手で、しなやかで、ほどほどに滑れば何でも良いので、化繊でも構わないと思います。吸水性とか吸湿性とか蒸れるとか、そういう機能はいらないと思うので、かわいいとか手触りが良いとかで選ぶと楽しいです。
わざわざ腰紐用に生地を用意しなくても、残り生地とか、着なくなった和服(襦袢とか羽織とかも含む)を解いたものとかでも作れます。長さが足りなくても、つなぎ合わせれば大丈夫です。
強く引っ張る事もあるので、弱くてすぐに切れそうな生地では無理ですが、柔らかすぎる生地でも芯を入れればすぐに切れる事はないと思います。

左上のがモスリン(ウール)、右と下は羽裏(絹)です。個人的にはモスリンはチクチクするので余り好きではないです。
腰紐の幅と長さを決める
腰紐は、着物を着る時に体に巻いて、そのまま着用中はずっと巻いたまま使う時と、帯結びなどの時に仮紐として使う時う時があります。仮紐として使う時は、結んだり解いたりを繰り返すので、フルサイズの腰紐だともたついて邪魔くさく感じる時があるので、着る時用の長い紐と、その半分ぐらいの長さの短い紐を用意すると、着付けの時の面倒くささが少し減るような気がします。
とりあえず、腰紐を作る時には、ずっと締めておく長い紐の長さを決めます。短いバージョンはそれを半分にすれば良いかなーと思います。
腰紐の使いやすい長さは、それぞれの胴周りの都合、結び方によって変わってくるので、お手持ちの腰紐の長さで、使いやすさを確認すると手っ取り早いです。手頃な紐とか試しに巻いてみるでも良いです。
結んだ後に、紐端がだらっと残って邪魔とか、短いのを頑張って結んでいるとか、そういう不便がない長さを探ります。使いやすい紐を使うと、着付けが楽になります。多少長くても短くても問題なく使っていますが、使いやすい紐は決まっていて、そればっかり使ってしまいます。手持ちの紐は、大体2m前後です。
幅も、体型とかお肉の柔らかさによって、使いやすい幅が異なると思います。食い込むようだったら、幅を少し広めにしてみると良いです。多少違っても問題ないです。私の手持ちのものは、35mmから45mmです。
腰紐の作り方
基本的には、①裏を見て縫う、②縫いしろにアイロンをかけて表に返す、③返し口を綴じて完了です。
ぬいしろは、1cmくらい。ほどけてきやすい生地の場合は、もう少し広めにすると良いです。
返し口の綴じ方は、この字とじ(本ぐけ)にすれば、縫い目が見えなくて丁寧ですが、別に見えても構わないので、まつり縫いでも、上から端縫いでも、なんでも構わないです。

端の形状は好みです。基本人様に見えるものではないので、細かい事は気にしなくて大丈夫。着付けてもらう時も、気にすることはないです。

端を三角にして、房飾りをつけたバージョン。頂点にビーズつけてもかわいいです。三角の作り方も色々あり、私の作り方は手抜き簡単バージョン。三角の頂点が中央にこなかったり、頂点の形が崩れる事もありますが、気にしない場合は、先に折っておくだけなので簡単です。
ふさふさ飾りの作り方は、こちらです。
芯の付け方
柔らかすぎるとか、薄すぎる心許ない生地の時は、体に食い込み防止とか、紐の変形防止のために芯をつける事もありますが、洋裁のように、接着芯を貼る必要はないです。腰紐の表生地に沿わせて、もう一枚生地を入れる感じです。
芯を全部に付ける必要はなく、腰というか腹に巻いた時に、体を締める部分がしっかりしていれば良いと思うので、腰紐の中央に腰回り分程度の長さの芯を付ければ良いと思います。

ざくざく縫い止めるだけで大丈夫です。
芯の生地は、腰紐の出来上がりの幅より少し狭くなるように用意します。布端の始末はいりません。縫い付けるのではなく、縫いしろの分量を芯の幅くらいに広く取っても良いですが、縫いにくいです。
芯にする生地は、サラシか芯モスを使っています。余っていれば胴裏とかでも、分厚すぎず、そこそこしなやかであれば、なんでも良いと思います。
芯をつけてから、表に返しますが、表に返す時に物差しや竹尺を使うと、中で芯が縒れたり折れ曲がったりしにくいです。表に返した後にも、物差し類を差し込んで、左右に振るように動かすといい感じにすっきりします。
端の整え方
裏から縫って、表に返した後、縫い目部分を整えます。縫った部分のぬいしろを折って、アイロンをかけてクセ付けしておくと、比較的簡単に整えられます。
縫い目部分で折るだけでも、表に返した時に折った布の厚さ分でうっすらキセがかかった状態になります。そのうっすらしたキセが消えないように、毛抜き合わせになるように整えると丁寧です。キセが残っていると、縫い目が隠れるので、和裁のアイテムっぽい仕上がりになります。
毛抜き合わせにならなくても、大して問題ないです。そこそこまっすぐに仕上がっていれば良いとおもいます。また、折り目を整える時は、かけ針で引っ張りながら作業すると、比較的簡単に整えられます。
整えた後は、アイロンしなくても巻いておくだけで、折り目にしっかりクセがつくようにおもいます。使用後も、汗でじゃぶじゃぶでなければ頻繁に洗う必要もなく、締めた時の熱が取れた後に、キレイに整えながら巻いておけば、次回も気分よく使えると思います。
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