浴衣風パジャマの作り方・後編

作り方説明・前編で部品を作り、中編で身頃・おくみができ、後は衿と袖をつけるだけです。しるしつけしながらミシンで縫って、縫いしろ始末する成り行きまかせの簡単な作り方です。感動のフィナーレ。

スポンサーリンク

ここまでの作り方を振り返る

浴衣風入院着風着丈の長い甚平なパジャマの作成方針を決めて生地を裁つ所までと、作例の紹介の記事です。広幅生地とシングル生地の裁ち方図があります。

裁った生地で袖やおくみなど部品を作る所までがこちら。専門用語的な各パーツの名称説明と完成イメージ図もこちらです。

身頃の長い部分を縫って、縫いしろ始末をする中編。脇とおくみを縫い、裾始末までするのはこちら。

あとは、衿と袖をくっつければ完成です。本格和裁ではなく、洋裁と混ざったなんちゃって和裁です。なんとなく出来上がりがそれっぽくなれば良い程度ですが、致命的な間違いがありましたらお知らせ下さい。また、わかりにくすぎる場合もコメントなどでお知らせ下さい。

衿をつける

正しい和裁とはかけ離れた付け方をします。すみません。衿がつく部分の長さを測って、衿の生地にしるしをつけて、つりあいを考えて身頃にくっつけるのが本来ですが、成り行きで付けます。

浴衣風パジャマの衿肩まわり

①衿のつく所を確認する

衿の付く所は、おくみの衿付け位置→おくみつけ止まり→首まわりをぐるっと回り、反対側のおくみの衿付け位置までです。

下図の左側、下側のピンクの十字が、前編でおくみにしるしつけした、衿下寸法(作例は72cm)。その上の十字がおくみつけ止まり。この十字を外さなければ、点線部分はざっくりで構わないです。身頃にアイロンチャコペンで線を書き込んでも良いです。

浴衣パジャマに衿をつける・衿先の始末

衿は、1cmのぬいしろで身頃(おくみと合体している)にくっつけます。衿にしるしはつけなくても構わないですが、衿先は、図の右側のように始末するので、5~6センチ余裕を持って、身頃に縫い付けます。付け終わり側の衿先は結構長めに残りますが、付け初めと同じ長さを残して切り落とします。

衿は、おくみの先のきわきわ、フチぎりぎりに付けますが、ミシンなので多少隙間が開いても仕方ないです。あとで、手縫いで適当に縫い止めてごまかせます。

②えりを身頃に合わせてまち針をうつ

身頃と衿の2枚の生地を合わせるので、生地同士のつり合いを取りやすいように、平らな所で作業します。

身頃を表を上にして広げ、そこに衿を乗せて、まち針で留めていきます。先に十字の部分を決めてから、その間を留めていくようにすると、いい感じにできます。まち針で生地をすくう時は出来るだけ小さい針目ですくいます。

首周り、衿開きの切ってある手前あたりは、肩線に対して気持ち直角になるようにします。ここまでは前身頃側だけでの作業です。続けて首周りですが、立体的になる部分なので、下の写真のように首の開きを開いて整えると衿と身頃を合わせやすいです。

浴衣の衿の付け方

写真では、左側がおくみ側。青い矢印の線が衿がつくライン。上に乗る衿ができるだけまっすぐになるように身頃を整えて、衿をまち針で止めていきます。一番ダーツができやすい部分が切れ込みの間際なので、オレンジの肩山の線をキレイに折って、そこいらがスッキリ、余計なヒダが寄らないようにします。

洋裁のいってこい開きと似た感じです。まち針だと不安な場合は、しつけ糸で縫っても良いですが、多少ぶれたり、よれたりしても、分からないです。

衿肩開き部分に衿がついた

ゴールまで留められたら、ミシンでだーっと縫います。居敷当てが多少よれっても、表側に問題なければ大丈夫です。まっすぐ据えて留めた衿が、緩やかなカーブになってくっついている不思議現象が見られます。

スポンサーリンク

衿を作る

衿が身頃についたら、衿の生地を折って衿の形を作っていきます。衿は、太い三つ折りになります。衿の仕上がり幅は好みなんですが、今回は、衿先は6cm、首周りは5cmにしました。

衿付けの縫い目から衿幅を測って太さを決めて一折り、さらに衿付けの縫い目が隠れるように折って整えます。長い距離をまっすぐ折るのは大変なので、かけ針を使うと楽です。折った片方をかけ針に掴んでもらい、もう片方も折って手で引っ張ると、折り目がピンとまっすぐ張るので、開いた手で折り目を押さえる事ができます。

三つ折りにするにあたって、衿開きの下部分やおくみの上の部分が邪魔な場合は、衿幅ぐらいを残して切り落として構いません。また、首の真後ろ辺りは、衿の生地だけになるので衿の他の部分に比べて薄くなります。衿がふにゃふにゃしそうな場合は、手頃な端切れを芯に使います。身頃の生地がない部分(衿をまっすぐ乗せた時に四角く開いていた隙間)の縫いしろに、芯になる生地を軽く縫い付けて、衿と一緒に折ると、衿の厚さが他の部分と揃います。

衿が折れたら、ステッチで押さえて出来上がりです。衿の縫い目より少し外側をしつけで止めると、ステッチが外れません。

袖をつける

袖をつける際は、身頃は裏にして整えて、袖がつく部分に袖を表にして挟みます。袖の左右を間違えないようにします。

袖を付ける位置は、肩山あたりは身頃の端から5mm程度、袖つけ止まりでは身頃の端ぎりぎりきわきわになります。白い矢印で指している部分が袖つけ止まりのきわきわのところ。袖はまっすぐなので、身頃側はナナメに縫われる感じになります。

袖の縫いしろは1.5cm程度の一定の幅なので、そこをガイドにして縫うと、まっすぐ縫う感じになるので縫いやすいです。前後続けて縫います。

袖の付け方

身頃側がすでに縫いしろ始末してあるので、袖を縫い付けたあとは、袖側の縫いしろを始末します。縫いしろは、袖の振り(袖の下側)まで、同じ幅で折ります。あらかじめロックしておいてステッチするだけでも良いし、三つ折りステッチでも良いです。

仕上げ

かんぬきどめ

開きの部分は強度が低いので、踏んだり引っ張ったりした時のために、かんぬきどめをして補強します。かんぬきをする場所は、袖つけ止まり前後、みやつ口、ポケット口です。数回糸を渡すだけでも構いません。

下のリンク先はミシンでかんどめの記事なんですが、下の方に和裁のかんぬきの方法も書いてあります。参考になれば。

衿の先も、本来は四つ止めしますが、弱そうであれば数回糸をくぐらせるとか、適当に補強すれば良いです。また、前述のように、隙間が開いたとかあれば、そういう所もいい感じに糸を渡して縫い縮める感じでごまかしておきます。

ひもをつける

ほぼ出来上がりなので、羽織ってみて着やすい場所に紐をつけて完成です。

紐をつける位置は、左右の衿、右のみやつ口あたり、左の内側のみやつ口あたりです。衿は、衿の一番下よりも、おくみの端の延長と衿の交点あたりが落ち着くんじゃないかと思いますが、好みです。適当に紐の端を折って、手縫いでざくざく縫い付けています。

あちこちの寸法、サイズなど好みなので、いい感じに仕上げてみてください。ほぼ同じ作り方で、普段着着物の上っ張りとかも作れます。

致命的な間違い、分かりにくい所があれば、コメント欄などでお知らせください。メールアドレスは公開されないので安心です。邪道すぎですみません。

コメント