お裁縫で必要な手縫いに使う針。太さや長さや形が色々あって選ぶのも大変なので、備忘を兼ねて記録しておきます。どなたかのお役に立てば嬉しい。
手縫いの針のこと
縫い針は、とりあえずは手縫いに使う針のことです。お裁縫は、洋裁と和裁のほか各種刺繍やキルトなど色々で、用途に合わせて針には色々な種類があります。適した針を使うと仕上がりが良くなったり、作業しやすかったりと、確かなメリットがありますが、とりあえず、何か縫わなければならない時は、洋裁用か和裁用の縫い針を使う事になると思います。
とりあえず縫うのでしたら、携帯用の手芸セットとかに入っている針でもそれなりにいけますが、そこそこ縫う量が増えそうだったら、手のサイズや用途に合わせた針を用意すると、縫いやすくなったり、苦労が減ったりします。
ただ、手や用途に合わせた針というのがまずわかりにくいです。トライアンドエラー要素が高いですが、とりあえず違いを見るポイントは、針の長さと太さと針穴の形です。糸との兼ね合いもあるので、とりあえず使いたい糸に合うものの中から選びます。

手芸屋さんでは、針のバラ売りも昔はあったんですが、今はどうなのか。針は大体10本から25本セットなので、最初は数本ずつ入ったセットを買って、使い心地とか手に合うかとかを体感してみるのが確実だとお思います。
以下は、クロバーのぬい針の説明ページです。最近の針は、昔のものより用途がわかりやすくなっていますが、それでも自分に合っているかの判断は難しい。余計な買い物はしたくないと誰だって思う。
縫い針の太さと針穴の違い
手縫いの針は、洋裁と和裁で違いますが、実際のところ洋裁と和裁は大して違わないと思うのです。針選びで大事な事は、縫う布の目が詰まっているか詰まっていないかと、使う糸が太いか細いかです。
和裁針は、和裁でよくするまっすぐ長く縫う運針(なみ縫い・ぐし縫い)に適しているらしいですが、着物を縫うわけでなければ、綴じるとか留めるとか、することは大体一緒だと思うのです。ここから和裁用の針について語りますが、和裁専用ではないので洋裁でも手芸でも使えます。
下のアップの針は、左からもめんぬい(がす針9号)、三の二(がす針9号)、つむぎぬい、四の二、四の三。左の2本が木綿用で気持ち太め、右の3本が絹用で細いです。つむぎぬいは、絹針の中でも少し太め。
針のアップは、パッケージが写っている上の写真と同じ並びです。メーカーと用途が違うので、太さだけでなく、針穴の形も違います。

一番右は、和裁の先生から頂いたもので、針穴がものすごく小さいですが縫いやすいです。
絹の生地は目が詰まっているので、細い針の方がするする針が進んでいきます。生地によっては、きしむ感じがする位目が詰まっていますが、適した針を使う事で随分楽に縫えて、疲れにくいです。ただ細いので無理矢理使うと曲がります。曲がった針はまっすぐ縫えないので、曲がってしまったら交換です。
木綿の生地は、縫い糸が太くなるので針穴が大きくないと糸が通せないので、少し太い針を使います。細い糸で縫っても大丈夫な時は、木綿でも絹用の針で縫う方が、するする抵抗なく縫えて縫いやすいです。
針の長さの違い
正しい運針というか、針の持ち方をするには、手の大きさとか指の力とかも関係してくるので、4の2と4の3のどちらが良いかとかは、本当に好みです。
下の写真、一番右は長針です。めっちゃ長い。これはこれであると便利なので持っています。

4の2は36.4mm、4の3は39.4m。ほんの少しの違いですが、練習しても無理な長さというのは本当にあるので、正しい持ち方で持てるか試してみるしかないです。でも、正しい持ち方で持てるようになると、疲れにくくなるので練習はした方が良いです。
とりあえず色々な長さの針がセットになったものが売っているので、最初はそれで試して見ると良いと思います。針は消耗品なので、何かと使い切れるんじゃないかと。
一番左のクロバーの3の2のパッケージの内側には、もめんぬい、唐糸ぬい、細2分、3の2は同一規格です、との一文が。分かりにくいことこのうえないけれども、この説明があるだけまだ親切なのかもしれない。
年代物で黄変していますが、使い切れていないので、まだしばらく裁縫箱に鎮座している事と思います。

何か手芸をする、とか裁縫してるんだー、とか、場合によっては着物を着るんだーとかが友人知人親戚に知られると、新旧の生地とともに、針や裁縫道具も集まってきます。さらに、呉服屋さんなどから、お年賀とともに針を頂いたりするので、使い切れない針が裁縫箱に結構沢山。手に合わなくても、なんとか使い切りたい気持ちが先に立ちます。
ゆびぬき(指貫・指ぬき)のこと
手縫いには、ゆびぬきがあると作業が楽になります。針をつかんでしゅっと抜けば良いので、なければなくても良いんですが、指ぬきは針をぐっと押せるので、負荷がかなり軽減します。使ってみると手放せなくなる感じのアイテムです。
で、短い針と長い針はゆびぬきが違います。下は、私が使っている皮のゆびぬきで、短い針用です。セルの裏打ちとかなくても、抜けてきたりしません。大丈夫です。

針を持った側の手の中指に外側向きにはめて使うもので、細長い皮を指の太さに合わせて輪っかにして縫い止めるタイプのものです。つるつるの側を輪の外側にする場合もありますが、私が習った先生の所では、皮の裏側を外側にして輪を作って使うと習いました。手をぐーにした中指の第二関節で針のお尻を押して使います。
指ぬきは、皮ではなく、金属のものもありますし、皮にセルロイドで裏打ちしてあるタイプのものもあります。使い勝手は好みによるので、どれが一番とかはないと思うんですが、皮で自分で作る指ぬきは、ほどよく針が食い込むので、押し込んだ時に針が滑りにくい気がします。
長い針の時は、お皿がついたものを、手をぱーにした中指の付け根につけて、針を押して使います。青森で習った和裁教室では、長い針で運針を教わりました。
長針でも短い針でも、どちらでも縫いやすい方で良いと思いますが、東京に来てからは短い針で縫う縫い方の方にしかお会いしていないので和裁の主流は短い針なんだろうと思います。
針のことのまとめ
縫い針は、気がついたらそこにあるもの、という事が多いと思います。ご家庭の裁縫箱に入っていた、小学校で買わされた裁縫箱に入っていた、携帯用手芸セットに入っていた、とかそんな感じで、どこのご家庭でも、わざわざ針を買わなくてもなんとかなっているんじゃないかとは思うんですが、使いやすい針に出会えればお裁縫が楽しくなるので、機会があれば試してみるのも楽しいです。
針の捨て方
針が曲がってきたり、針先が鈍ってきた気がしたり、マチバリの頭が取れたり、折れたりしたら処分します。
不要になった針は危ないので、紛失したりケガしたりしないように、小さいガラス瓶とか、昔だったらフィルムケースとかに入れて保管しておきます。私は、チョコラBB180錠のプラスチックケースに入れています。
ある程度まとまったら不燃ゴミなど自治体の区分にしたがって処分します。針供養に持っていくのも良いですが、年に一回なのでなかなか難しい。
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