小さめのショルダーバッグを作りました。サコッシュよりちょっとしっかりした感じの、お財布とスマホが入る程度のお散歩などで使い勝手の良い感じのミニショルダー。何回か試作していい感じのものができたので、型紙も一緒に公開します。
ショルダーバッグの仕様
出来上がりサイズは幅28cm、高さが21cm、マチが6cmほど。
お財布と、お薬手帳入れやぺたんこ系のポーチ、スマホとティッシュハンカチ類、エコバッグが入る程度で、500mlペットボトルは厳しいけれども細めの小さいボトルなら入れられます。
外側にファスナーポケットと、ボタン留めの大きいポケット、内側に内ポケット1個のシンプル簡単構造。外のボタンポケットにはDカンつけて、鍵とかパスケースとか、何かと落としやすいものにチェーンとかリールつけて固定できるようにしました。
ショルダーバッグの材料
用尺と数量
- 表側 本体分:80×30cm 切り替え布:30×21cm
- 内側(内ポケット含む) 100×60cm
- 25cmファスナー 1本、20cmファスナー(ポケット用)1本
- ポケット用ホック 2個
- Dカン3個、Dカン固定用の革とかテープ類(必要に応じてカシメなど)
- 既製品のショルダーストラップもしくは自作
- (ストラップ自作時:アクリルテープ130cm、鉄砲カン(もしくはナスカン)2個、リュックカン(移動カン)1個 カン類はテープの幅に合わせる。テープ幅は25mm前後がおすすめ)
- 必要に応じて接着芯・タグとか飾りつけアイテム 適宜
材料の詳細
外側の生地は、ある程度厚みとハリのある生地の方がかっこよいと思います。帆布も良いです。内側は撥水生地でも良いし、お好きなプリント生地でもなんでも。薄手の方が良いと思いますが、強度があるとより良いと思うので、ナイロンとかポリエステルとかスレキとかがいいんじゃないかと思います。
作例のショルダーの外側は、在庫のストレッチバーバリー。ハリとツヤがいい感じの夫パンツの残り生地。内ポケットは、ポリエステルの裏地の端切れ活用、内側は撥水ポリエステル、切り替え布はワッシャー加工してある撥水ナイロンオックス。口布の裏もナイロンオックス。端切れ大活躍。
作例のショルダーストラップは、25mm幅アクリルテープとリュックカン(移動カン)(25mm)、鉄砲カン(25mm)です。
ショルダーストラップ取り付け用のDカンは1.5cm×2個。外側から革の端切れとカシメで固定していますが、テープや端切れで縫い付けでもいいし、縫い込んでもつけられます。
外ポケットの内側のDカンは、1cm。適当なテープで固定しています。
外ポケットには、アメリカンホック(スナップボタン)。もしくはワンタッチプラスナップでもいけます。ホックは見えないようにつけましたが、見えるようにつけてもかわいいです。
ショルダーバッグの細かい仕様と作り方
作る手順
①部品を作る:左右のポケット・口布・内ポケット
②表側を作る:ファスナーポケット+切り替え布+スナップ付きポケットをつなげ、袋にする
③内側を作る:内袋にポケットを付けてから袋にする
④表側と内袋を合体させる:口布をはさんで縫い、表に返す
④仕上げ:開け口にぐるっとステッチして、Dカン2個をつける
開け口は天マチ方式(口布はさむ式)
今回作成したショルダーバッグは天マチ方式。ファスナーをはさんだ口布をつけるやり方です。
ファスナーのしっぽまでの分が大きく開くので使いやすいし、ファスナーを挟んだ部品を後から付けるので、仕立ての際の内布の返し口の処理が超簡単になります。
一見難しそうですが、簡単でしかも仕上がりが良いです。手作りっぽさが軽減する気がします。
下の写真は、ファスナーの開け口側。試作品の写真です。ステッチがへっぽこで恥ずかしいです。
口布パーツの作り方(口布への開け口用ファスナーの付け方)
口布部分の手順は①ファスナーを2枚の布で挟んで縫う②両端を折りこんでステッチで固定する、です。
開け口側はファスナーの余分を折り込む普通のポーチとかと同じ感じで、しっぽ側は折らずにそのまましっぽを残して縫い付けます(縫うのは出来上がりまでで、折り込む部分は縫いません)。
表・裏生地でファスナーを挟んで縫ったら、表生地と裏生地をそれぞれ出来上がりに折り、しつけテープとか裁縫用のりで固定。表に返して、出来上がりの状態に整えたら、ぐるっとステッチで押さえます。両脇の折る部分は、ほんのちょっとの距離ですが、固定した方がキレイに出来上がるように思います。また、裏地側は気持ち多めに折ると、控えられるので表から見えなくなって見栄えが良いです。
こちらの写真はしっぽ側。これも試作品ですが、構造は一緒なので参考用です。
矢印で示している部分のように、しっぽ部分が自由になるので、バッグの開け口を大きく開けます。
しっぽの長さは好みなので、25cmファスナーじゃなくても、余っているオープンファスナーとか、半端な長さのファスナーを使い、好きな長さで切り落とせば大丈夫。ファスナー在庫整理になります。
ファスナーのしっぽの処理
本番品はメタルファスナーなんですが、試作で使ったコイルファスナーはそのままミシンで縫えてすばらしいと思いました。そして手に優しい。痛くないのが良いです。
上の写真も試作中のコイルファスナー。ファスナーのしっぽには、革をくっつけました。手頃なサイズに切って、折って挟んで、裁縫用ののりかしつけテープで固定して縫います。革をカットする時は、ロータリーカッターですぱっと切ると、切り口がキレイです。
家庭用の普通のミシンで縫えます。本革はぎれセットとかの手頃な革です。針の太さは本体縫ってたままだったので#11(普通地用)ですが、目飛びするようだったら、太い針に変えて、手で回して縫うとキレイに縫えます。
返し縫いはしない方がよさそうだったので、糸端は裏側で結びました。
外側ポケット
底の切り替え布と合体させる前に、ポケット部分を先に作っておきます。平らな状態で色々いじる方が縫いやすいです。
ファスナーポケット側と断面図
隠しファスナーっぽい付けかたのファスナーポケットと断面図。断面図でなんとなく工程とか出来上がりを予想できればいいなあと思います。
ファスナーをつける向きは、開け閉めする時に使いやすい向きにつけます。好みです。どっち向きでも良いです。
ファスナーをつけたあと、内袋を玉縁ポケットの内袋みたいな感じで固定します。ステッチはデザイン要素もあるので、図の通りでなくてもよく、好きな感じにステッチします。
ステッチ入れる順番や、くっつける場所など混乱しそうになったら、仕上がりの形に部品を整えて様子を見ながらすすめます。
隠しボタンポケット側
ポケットの折り返し側に、あらかじめアメリカンホック(スナップボタン)を付けてから、折り返し部分を折ってステッチしました。奥側に見えるのは、Dカン。ポケット袋布を本体につける時に一緒に縫います。落としやすいものをキープしてもらうためにも強度と安心が欲しいので、二度縫いします。
こちら側のポケットの断面図は、型紙の中にあります。仕立ての参考になるといいなと思います。
ボタンなくても構わないですが、幅が広くて、生地によってはだらーんとなるかもしれないので、ベルクロでもボタン1個でも、何か形をキープできる仕様にすると良い気がします。
アメリカンホックを打ち込むコツ
アメリカンホックを失敗なく打ち込むコツは先にツメを布にきちんと刺し通しておく事と思います。
私はプライヤーを使っていて、うまく噛まない失敗が多かったので、プレス時のズレ的なものを軽減すれば良いかと思った次第です。立て爪を目打ちか何かを使ってしっかり布に刺し、できるだけ動かないようにしてからプレスすると成功率があがるような気がします。
口布部品をバッグ本体と縫い合わせる
口布パーツ・表袋・内袋が出来上がったら、3パーツを合体させます。
前述の断面図のような感じに合体させたいので、表袋と内袋で口布を中表に挟んで、開け口をぐるっと縫いますが、下の写真のように、一カ所だけ表と口布だけ縫って、内袋は縫わない部分を作ります。
口布と表袋を粗ミシンとか手縫いしつけで固定しておくと安心です。
内袋の縫い残した部分は返し口になります。下の写真は、ぐるっと縫った後に表に返したところです。
返し口は出来上がりに折って、ざっくりしつけで固定します。まつる必要はなく、このまま開け口をぐるっと一周、口布ごとステッチすれば、返し口は隠れてしまいます。
開け口にステッチすると下の写真のような感じになるので、穴は見えなくなります。返し口の処理いらずで簡単です。
カンを取り付ける
ショルダー紐を引っかけるDカンは袋が出来上がってから革で挟んでカシメて付けました。
内袋と外袋を縫い合わせる時に一緒に縫ってしまってもいいし、カシメじゃなくて縫い付けでもいいし。革じゃなくてテープでもいいし、布で作ってもいいです。型紙に付け方の例を図解していますので、参考になれば、と思います。
カシメを打つにあたって説明書には「目打ちで穴を開ける」と書いてある場合がありますが目打ちだと無理な場合があるので、カシメ用の穴はポンチでの穴開けをオススメ。穴は確実にきれいに貫通させた方が成功率が上がります。夫のスクリューポンチを借りています。
目打ちの場合は、刺す側と出口側で穴の大きさが違います。小さい穴しか開いていない出口側からも目打ちを刺してぐりぐりすると大きくなりますが、カシメを差し込んだりなんだりと、いじっているうちに開いた穴が小さくなってくるので、できればポンチが良いです。
内袋を収まりよく縫うコツ的なこと
内袋は、少し控えて小さく作る方が収まりが良いです。製図上で数ミリ削った別型紙を用意するのも面倒なので、表生地と同寸の縫い代で作った型紙を使い、実際に縫う時に縫いしろを数ミリ増やすと楽ちんかと思います。
外側の布の厚さとか縫い代の重なりとかで内側が狭くなり、内袋と外側を同じ寸法で縫うとどうしても内側は余ってしまいます。図解がこちらの記事にあるので、良かったらご一読ください。
今回、ぬいしろは1.3cmでいい感じにおさまりました。ミシンで縫う時に、マグネット定規を使うと、ぬいしろの幅を一定に保つのが簡単にできます。ミシンにマステ貼って目印にするでもいけますが、物理的に固定できるのは楽です。
型紙はこちら
ご自由に使って頂ければ嬉しいですが、再配布はしないでください。ご利用にあたっての注意事項も一読いただければ幸いです。
A3サイズで申し訳ないです。A4サイズのご要望があればお知らせ下さい。
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