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手縫いで糸が絡まらないようにする方法

手縫いで縫う時に、糸の途中に出来る結び目のような糸の絡まりを軽減する方法について私のやり方。縫っていてイラッとするあの瞬間を出来るだけ減らしたい。

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手縫いの糸について

手縫い糸とミシン糸の違い

糸には手縫い用の糸と、ミシンで縫う時に使う用の糸があります。糸の撚りの向きが違い、手縫い糸をミシンで使うと糸が絡まったり切れたりしやすくなるので、手縫い糸をミシンで使う事は厳禁ですが、ミシン糸を手縫いで使う分には問題ないです。

下のサイトは、フジックスさんの手縫い糸とミシン糸の違いの解説ページです。撚りの図解があるので分かりやすいです。

株式会社フジックス
フジックス:高機能・高品質な縫い糸、刺しゅう糸を色数豊富に取り揃えています。

糸を用意する時は、生地の色に合わせるので、ミシンで縫う事が多い場合は、ミシン糸だけ買ってくれば良いと思います。ただ、ボタン付ける時とかに使う太くて頑丈な糸(穴糸とか強い糸)は手縫い糸なので、よく使う色の糸を揃えておくと使い回せて良いです。

フジックスさんのサイトで、手縫い糸は手縫いした時によじれにくい(=からみにくい)と書いてありますが、手縫い糸でもよじれて絡まるので、手縫い専用の糸をがんばって揃えなくて良いです。

手縫い糸とミシン糸の見分け方

手縫い糸とミシン糸の見分け方は、表示をきちんと確認する事です。シャッペスパンとかダイヤフェザーとか「巻いてある糸はミシン糸」で大体合っているんですが、巻いてあっても手縫い糸があったりするので、注意が必要です。

巻いてある手縫い糸

写真の糸は「絹地縫糸」とあるので手縫い用の糸です。手縫い糸と表示があれば分かりやすいですが、地縫いも手縫いの事です。分かりにくいです。

長襦袢を一枚縫っても使い切れなかったので、和裁を沢山なさる方とかでなければ、巻いてある手縫い糸を買う事はないのではないかと。後述しますが、沢山縫う時は、巻いてある糸の方が少しこんがりにくいので、板に巻いてある糸より巻いてある方が楽に縫えます。

糸の結び目が出来る理由

糸がこんがらかって結び目が出来て引き抜けなくなったり、切れたりするイラッとする現象は、糸が生地とこすれる時に撚りがかかったり、撚りがほどけたりするために発生します。

糸が生地とこすれる時というのは、針で布を縫って針を引き抜く時です。布を通りぬける時の摩擦で糸がねじれたり、最初から糸にかかっている撚り(ねじれ)が解けたりします。

下の写真で水色の矢印が縫ってる進行方向。針はもう引き抜いています。黄色の大きい矢印が指している所が摩擦ポイント。糸と生地(ここでは革ですが仕組みは一緒)がこすれます。ここでの摩擦で糸がねじれていきます。

糸がこすれてねじれるところ

糸は細い糸の集合体なので、糸がねじれた時に起こる現象は2つ。ねじれが解けてばらばらになるか、もとからある撚り(ねじれ)がさらに強化されてくるくるしてくるかのどちらかです。

上の写真で革を縫っている時は、糸がどんどんばらばらになってましたが、手縫いの時は、大概はくるくるしてきます。手縫い糸でもミシン糸でも、大体くるくるしてきます。

糸がくるくるして、からまったり結び目になる一歩手前

この写真は、手縫い糸を使ってまつり縫いをしていた時の様子です。まつり縫いは、一針一針で糸を引き抜く事が多いので、くるくるしやすいと思います。糸がくるくるしてくると、その糸の近くのくるくるしている所とくっついてツイストドーナッツのようにくるくる巻き付くようになってきます。

このくるくるは、さらに近所のくるくると合体して、運が悪いと輪になった所に入り込んで結び目ができたりするので、このくるくるが発生しないようにする事が、手縫いの絡まり改善の重要なポイントだと思うのです。

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絡まったり結び目ができないようにする方法

和裁では、途中でできるだけ縫い接ぎをしないよう、一本の糸で縫う、という事を心がけます。背縫いとか1m以上の糸になります。途中で糸が絡まったら、できるだけ頑張ってほどきますが、ほどく時に糸が傷むので、できれば絡まないように縫いたいのです。そこで習った事と、編み出した技です。

縫う前の下準備

前述した、縫っていると出来てくる「くるくる」は、近所のくるくるしている部分とくっついて、一緒にくるくるしたがる習性があります。

紙に巻いてある糸には折れ目がついていて、この折れ目で折れて、くっついて絡まりやすいので、縫う前には、面倒でもこの折れ目を取っておくと良いと習いました。

紙巻きの手縫い糸の折れ目の様子

糸を取りだしてみると、結構しっかりした折れ目がついています。糸を張ってツメでぴんぴんはじく、というのを昔習いましたが、そんな事では折れ目はまっすぐにならないので、アイロン使います。

手縫いで縫う前の糸の準備で絡まりを軽減。

低温で良いので、縫い糸の上にアイロンを置いて、すーーーーーっと、糸を引き抜くと、糸がまっすぐになります。年期の入った頑固な折れ目がついている場合は、何回か繰り返すと良いです。

和裁の時はコテでやってました。手縫いの時も、アイロンをお手元に置いておくと良いです。縫った所は、アイロンで押さえるとキレイに整います。

小さい旅行用のアイロンを使ってみた事もあったんですが、運が悪かったのかすぐ温まらなくなってしまったので、何か手軽に使えるアイロンがないかとずっと思っています。パッチワークコテでもいけそうですが、軽そうなので厚い生地には向かなさそうで、いつかは和裁のコテが欲しいなあ。

縫っている最中のコツ

巻いてある糸はこのアイロンかけなくてもまっすぐなので、糸がからまるきっかけの折れ目がないんですが、それでも、縫っていると絡まりやすくなってきます。

くるくるが合体しなければ良いので、糸を引く時は、黄色い矢印の糸が布を抜ける部分に糸が集まらないようにすれば解決です。

糸が抜ける場所を軽く押さえるか、写真のように、糸に指を入れて輪になるようにすると、絡まらないです。

手縫いで糸が絡まないようにするコツ

一気にしゅーっと糸を引き抜くと、糸はくるくるしやすいです。分けて引くとか、ゆっくり引くのも対策のひとつですが、乗ってくると忘れがちなので、とりあえず押さえるクセがつけば絡まりにくいと思います。

写真のように糸を押さえなくても、糸がすっきりした状態で布を通り抜けていけば良いと思うので、やりやすい方法でお試しください。

糸のよじれ・くるくるを取る

絡まなくても、蓄積されてくる「くるくる」が邪魔くさいので、縫いにくいなーと思い始めたら、糸のくるくる解消を図ります。私は、針が落っこちないように注意しながら、針をぶらげてくるくる回す感じで、糸の撚りが普通の状態になるようにしています。

ドライヤーのコードがくるくるした時の解消方とかと一緒です。

不幸にも結び目ができたら

完全な結び目になる事は少なく、軽く引くと解ける事が多いですが、輪になっていて固く締まってしまうと解くのが困難になってきます。ゆるく、ひっかかっているだけ状態で気づくと解きやすいです。

糸が団体になり始めた、とか、糸を引き抜くのに何かひっかかりを感じた、とか違和感を感じたら、すぐに糸を引くのを止めます。悪化させると、ほどくのが困難になるので、絡み始めた時にすぐ止める事が大事です。

糸を引くのをっやめたら、結び玉になっている部分を悪化させないように、ゆっくり丁寧に糸をほぐします。結び玉が出てきたら、軽く引っ張って、ほどけそうならそのまま解きますが、締まってしまいそうなら、結び目になっている部分を目打ちや針で突くようにして、少しずつ緩めていきます。ある程度緩んだら、するっと解けますが、解けない時もあります。針などで突くと、糸の撚りが解けて、糸の強度が下がってしまうので、無理そうなら諦めて切って、縫い接ぎましょう。

団子になった糸が解けた時は、なんというか達成感がありますが、できれば感じないで済ませたい。私の手縫いのコツがお役に立てば嬉しいです。

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