男のコートの本の型紙を改造したフードコート制作の記録。ダッフルコートが普通のフードコーになりました。2019年コート祭りに自主参加したものです。
男のコートの本と変更箇所
S、M、L、XLの4サイズ展開の男のコートの本は、かっこいいトレンチコートやダッフルコート、Pコート、ステンカラーコートが作れます。ほっそり目に出来上がるような気がします。夫がまだ太っていた頃に作ったものなので、基本XLサイズで着丈はLにして作りました。
元にしたのはダッフルコートの型紙。ボックススタイルの普通のフードコートです。
変更点
- 総裏仕様にして、ファスナー開きに
- 総丈の比翼仕立てのフラップ?持ち出し?をファスナーを隠すように追加
- フード付け止まり位置を前中心側に移動
- パッチポケットを箱ポケットにし、中にDカン追加
- 袖下位置を1cm下げて、袖幅は成り行きで増えた
- 背中心の縫い合わせなしにして一枚に(背中は直線なので形状はそのまま)
- 前身頃全面・後ろ身頃の上側と裾・袖口・袖の上側にも芯貼り
- ダッフル要素(オーバーヨークとチンストラップとトグルボタン)は作らない
夫リクエストはボタンが外に出てないと嬉しいという事だけだったので、比翼&ファスナー開きにしました。ショルダーバッグを斜めがけする時など、ボタンがショルダーストラップに引っかかって邪魔だそう。ハンガーにかけて吊した時はボタンがないと見た目がつまらないけど、着た時に楽ならそれでいいかな。
かたやまゆうこ先生に頂いた、2019CoatFestivalのタグを付けました。写真だと明るめのお色ですが、深みのある、焦げ茶色のシックな色のテープに銀色のキラキラ糸で文字が織り出されている、素敵なタグです。一応茶色の糸で縫い付けてみましたが、縫い付けが下手くそでした。
使用した生地の用尺と副資材
日暮里のトマトセレクト館の国産ウール生地で、スポット品と表示があったものです。ウール88%、ナイロン12%、幅140cmのものを2.4m使いました。
接着芯は、服地用の黒。どこかで切り売りしていた薄手の微妙に伸びる接着芯です。
裏地は、キュプラ(ベンベルグ)。お洗濯はクリーニング屋さんにお願いすると決めたので、キュプラにしました。旭化成のニューベンヒットのチャコールグレーを2.6m。
箱ポケットの袋布は、オカダヤのカラースレキ。今回使ったのは、スカイブルーですが、もうないようで残念。紺とかグレーとか茶色はあります。スレキといえばストライプもあるので、気に入ったものがあったら買っておいた方が良さそう。
内ポケットの口布は、ユザワヤで買ったエステルスエード(合皮)。かわいいかと思ったのですが、根性がないのでポケット口には向かないような気がします。
ボタンは25mmを7個、ファスナーはYKKの5号の金属ファスナーです。長いオープンファスナーは、カットしてくれるショップで必要な長さでカットしてもらうと良いです。おすすめショップはミシン糸のお店「ボビン」さん。引き手も選べるし、ファスナーのカスタムができて楽しいです。
ファスナーの太さの比較的な記事はこちら。このコートで使っているファスナーを使って記事を書きました。
フードの裏地つけについて
裏地については、男のコートの本に掲載の裏付きのアイテム(トレンチコートやステンカラーコート)を参考にできたのですが、フード部分については、フードものが満載のミリタリーウェアの本(嶋崎隆一郎著)も参考にしました。
モッズコートのライナーは、表生地と裏生地でフードを挟んでひっくり返す式ですが、今回は、外周で表と裏を合体させる方式を採用。表と裏をそれぞれ作ってから、前アキ、フード周り、前アキでぐるっと中表で縫い合わせ、袖口を指定通りに付き合わせて縫い、ついでに裾も縫い合わせました。返し口は比翼の部分を使いました。
ミリタリーウェアの本のモッズコートを作った記録はこちらです。
比翼部分は、ボタンホール開け依頼のために閉じてなかったので、かなり大きい返し口が確保されてまして、何度もひっくり返したり、戻したりできて、中とじも修正も楽でした。想定外に便利な穴でした。
比翼あき部分の部分のファスナーとボタンホール
ファスナーがあって、比翼になってて、という構造が悩ましくて、構造を図にしてみたり、部分縫いしてみたり、普段より慎重に型紙チェックしました。
ファスナーアキにするにあたって、持ち出しを付けたかったのだけど、できるだけ前の重なりを薄くしたいとの夫要望で、右前身頃はファスナーが端っこになるようにしています。前身頃が左右対称ではないので、断裁は緊張しました。
ほぼ全部できた状態で、ボタンホール開けを大場ボタンホールさんにお願いして、戻ってきてから比翼部分を閉じて完成となりました。
比翼と袖のタブ部分のボタンホールを大場ボタンホールさんにお願いした記録はこちらの記事です。ボタンホール開けの位置指定で使っている画像が、このコートの比翼部分です。
開けて頂いたボタンホールはこんな感じになりました。比翼の内側なので、裏側です。しるしつけの白い線はアイロンチャコペンなので、アイロンかけるとか水で濡らすと消えます(目立たない所で事前に確認しておくと安心です)。
箱ポケット
ポケットは、トレンチコートのポケットを参考にした箱ポケットです。ひとえ仕立てと裏付きでちょっと違うのですが、ひとえ仕立て用と書いてある方法を流用しました。当て布+ステッチもそのまま踏襲。
コート本体に対して、少しナナメにポケットが開くので模様合わせはあまり気にせず裁断できて良いです。
袋布は、裏地とどっちがいいのか悩んで、綿スレキにしました。今回もDカンを取り付けているので、定期入れなどのリールを取り付けるのに役立つと思います。
反省点
背縫いというか、背中中心の縫い目を省略したのは駄目だったような気がします。数シーズン過ぎて、背中側の生地が少したるみ気味になり、裏地が少しつれた感じになってきました。
接着芯を上側だけでなく、全面に貼れば良かったのかもしれない。裾側に取っていたきせ分で吸収できなくなってきたので、ほどいて直す方が良さそうです。背中心の縫い目大事だと思いました。
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