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浴衣風パジャマの作り方・前編

旅館寝間着風・病院着風・着丈の長い甚平な浴衣風パジャマの作り方です。服地を使ってほぼミシンで作る、洋裁和裁ちゃんぽんなアイテム。まっすぐ縫いだけなので比較的ささっと出来上がります。

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浴衣パジャマを作る流れとか注意点

浴衣風パジャマの全容は、こちらの記事です。サイズや生地の必要量と裁ち方図はこちらをご覧ください。

浴衣パジャマの作り方

  1. 生地を用意(上のリンク先参照)
  2. 部品を作る
  3. 身頃本体と部品を合体させて完成

型紙不要で、必要寸法に生地をまっすぐ切って縫うだけです。しるし付けはほとんどしません。

接着芯を貼る必要もほぼないですが、生地によってほつれやすいとか、強度が低いとかであれば、負荷のかかりそうな場所に貼ります。力布でも良いです。

制作にあたって

浴衣や甚平は、出来上がりサイズや、各部品のサイズは厳密にきっちり何センチ、とか決まっていないです。それぞれの体型や好みに合わせて調整しますが、最初は好みの感じも分かりにくいいので、まず一回簡単な仕立てで実験してみると良いです。

縫いしろの始末方法も、やりやすい方法や好みで構わないです。今回は、ミシンステッチと折り伏せ縫いにしていますが、バイアステープ処理やジグザクミシン、ロック処理でも問題ないです。縫いしろがひらひらしてても構わないです。パジャマなのでお洗濯に耐えられればなんでも良いと思います。

①生地を用意して裁断する前にすること

前述のように、全容説明の記事で作りやすい生地の選び方、用尺、裁ち方を説明していますが、補足です。

洋服地を反物のように細長く切って仕立てるので、切り出した生地の両端の縫いしろ処理が必要になります。前後を縫い合わせた両脇、おくみと縫い合わせる部分は、2枚縫い合わせた部分の縫いしろ処理になり、開くか、まとめて折り伏せにするかで、必要な縫いしろ幅が変わります。

下図は、浴衣風な甚平風な絵ですが、ざっくりした名称とステッチ位置と、今回私がした縫いしろ始末をまとめました。もちろんロックでもバイアステープでも構わないですし、場所によってはステッチなしでも構わないです。

浴衣パジャマの部品名称とステッチ位置

お手元に浴衣があると分かりやすいのですが、作り方に目を通すなどして、なんとなくで良いので全容を掴んでください。縫いしろの処理方針をあらかじめ立てておかないと、予想よりもサイズが小さく出来上がったり、縫いしろが足りないという不幸な事態になりがちです。

縫いしろの幅は、1cm~2cm標準的だと思いますが、ほつれやすい生地なら広めに、すっきり見せたいなら細めに、とか適宜調整してください。裁ち方図は標準的な縫いしろ幅なので、あらかじめ大体の縫いしろ処理方法と出来上がりサイズを検討しておくと良いです。

とりあえず幅を広めに用意しておいて、その段階になって考える、でも大丈夫です。ギリギリの幅で進めるより安全です。

②部品を用意する

合体する前に、先にやっておかないといけない事があるので、先に片付けておきます。

身頃に居敷当てを付ける

後ろ身頃の補強+透け防止と、衿付けの補強のために、居敷当てを背中から肩周りにかけてつけておきます。お尻あたりだけと、肩部分の2分割の本もあるんですが、習ったのはこのやり方なのと、表側に見える縫い目がすっきり見えるように思いますが、好みなのでこういうやり方もあるのねー程度に参考にしてください。

さらしは、スチームアイロンをかけてから、着丈+約10センチ+ぬいしろ1cmで裁ちます。作例は着丈が120cmなので、約131センチ。このさらしを下図の右下のように肩側の裁ち端を処理してから、身頃の裏に縫いつけます。

身頃とさらしは、緑の線のように切り込みを入れます。切った所は、衿開きと前身頃の左右になります。強い力がかかると裂けるかもしれないので、首周りの部分はしつけ糸で軽くざくざく縫っておくと安心です。

身頃と居敷当てのさらしのサイズや処理方法

さらしと身頃は一体化するので、図で緑の線で示している「切る」部分の身頃とさらしは同じように切ります。8cm衿開きは切りすぎないように注意します。衿がゆったりした方が良い場合は、もう少し多めに切っても大丈夫です。

肩側の裁ち端の処理は、大体1cmで折ってざくざく縫いで押さえ、カドを2~3cm三角に折るだけです。その状態で、身頃の裏に重ねて、ざっくりしつけで押さえてから、裾以外をぐるっとステッチで縫い付けます。裾の部分は、最後に裾の三つ折り縫いをすると隠れてしまうので、ほったらかしで大丈夫です。

さらしの両端は耳になっていて、ほつれてこないので、本来の浴衣であれば「耳ぐけ」という方法で手縫いで押さえますが、パジャマなのでミシンでいきます。補強なので、さらしではない生地(新モスとか共生地)でも大丈夫ですが、汗取り効果に期待して今回はさらしを使いました。

袖を作る

袖は折り目が上、下側が縫い目になります。袖の下側を端から端まで縫うと、袖の形(輪)になります。同じものを2つ作ります。ここまでは左右の袖の区別がありません。

次に、袖口側の裁ち端を始末します。裁ち端を三つ折りし、ステッチで押さえますが、その際、袖下の縫いしろが、左右それぞれの袖の前袖側にくるようにします。下の写真は左袖。袖下は袋縫いしてあります。

袖下のぬいしろ

作例は、袖口から振り側(身頃につく側)まで同じ長さですが、袖口側が細く(狭く)なるように作っても構わないです。浴衣のように振りを長く取ってもかわいいです。また、作例では五分袖ですが、もう少し長くするとか、いっそノースリーブもありです。

衿付け位置を決める・おくみを作る

おくみの上に衿がつくので、衿がつく前におくみの衿の下側部分を三つ折りステッチしておきます。

まず、衿がつく場所にしるしを付けします。今回は衿下寸法72cmにしたので、出来上がりの裾の位置から72cmの所に、適当な何かでしるしをしておきます。チャコでもなんでも良いです。私はいつものアイロンマーカー使って、ぐりぐり書いています。

衿下寸法は、今回、着丈120cmでの寸法なので、着丈を増減する場合は衿下寸法も同量増減してください。

下の写真は使い回しですが、左上の部分が衿、中央から下側がおくみです。衿とおくみのくっついている部分、ミシンの縫い目が返し縫いになっている辺りが、72cmのしるしをした所になります。

衿付け部分

衿がつく位置の少し上まで三つ折りになっていれば良いので、ステッチするのは衿付け位置から数センチ先までで構いません。衿の中に入ってしまう部分は、中途半端な三つ折りのふわふわした状態で放っておきます。

三つ折りの幅は、生地の厚みで縫いやすい幅が変わってくると思うので、好きな幅で良いです。作例は、生地の端からステッチまで7mm程度です。

和裁だったら「折りぐけ」しますが、それでも表に縫い目がぽつぽつ出るので、だったらミシンステッチでいいじゃないかと思うわけです。強度も出そうですし。

ポケットを作る

ポケットはつけてもつけなくても構わないです。もしポケットをつけるのであれば、ポケットの部品を先に作っておきます。今回、実験でシームポケットをつけましたが、思いのほか面倒くさかったので、パッチポケットでも構わないと思います。

今回は、身頃の脇の縫いしろに、ポケットを縫い付けるようにしたので、手を入れる口がある辺以外の3辺を袋縫い。手を入れる部分は15cm開けて、そこ以外をぐるっと縫い、残った縫いしろは開いておきます。

紐を作る

生地の余った所から紐用の生地を切り出して、紐を4本作っておきます。

作例の紐は、幅1cm×長さ40cmです。裏返して縫ってひっくり返すでも良いですし、外表で折ってステッチで仕上げるでも、どちらでも構わないです。裏返しで縫って表に返しにくい場合は、縫いしろを切り落とすと、表に返しやすくなります。

ループターナーがあると、ひっくり返すのが楽ちんです。

出来上がった紐は、アイロンをかけておきます。

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